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Author:wachizo

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 今年も、ご予約を頂き有難うございました。

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漱石先生ごめんなさい4

−4−

我輩の住まいは幅90cm奥行き40cm高さ40cmをぐるりと金網で囲んだものである。
前後左右だけでなく天地も囲んであるから、籠の鳥ならぬ籠の亀といったところであろうか。
籠の中は水桶と水桶の深さよりやや低めにした石畳の陸地とに分けられており、水桶と陸地を繋ぐよう御太鼓橋がかかっている。
この住まいを作ったのは暴君である。
完成時「ヤオランド」なる何の妙味も無い名を付けて随分得意げであったが、我輩に云わせれば「ヤオプリズン」である。

暴君からすれば甲長12cm足らずの亀故、これで足りると思っているのであろうが、我輩本来の生息地である自然界と引き比べれば到底足りるものではない。
これでは、運動不足になるは間違いなかろう。
体力筋力共に弱れば、男子たるものいざ本懐をとげようという段になっても、どうにもならぬ事態に陥るやもしれぬ。
それは困る。そんな事態は嫌である。
よって運動を以下のように行なうことにした。

御太鼓橋を攀じ登り、石畳の上をバタバタと走り、金網に登り、そのまま横へと移動して、水桶の縁の真ん中あたりに差し掛かったところで、水中へ転がり落ちるダイブする。

我輩、甲羅干しに飽きるとこれをやる。

「ウルサイっ!シュウェッ!」
クッションだか座布団だかの縫い目を顔に刻んだ暴君が、文句を言いに来たってかまうものかと思う。
男子の本懐がかかっているのである。

「ヤオだってさぁ、『っんだぁーーーー!!』ってやりたい時があると思うよ」
いつぞや、主人が拳を天に突き上げて暴君に話していたことがあった。
あの時は心の中で快哉を叫び、男同士の連帯感と親近感に免じて、以前我輩を「杉作」と呼んだことは、固形飼料の滓と共に流してやろうと思ったものである。



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